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幽霊が出る?「ビックリマーク」標識の噂は本当か

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第11回:ビックリマークと都市伝説

 

 「その他の危険」の設置理由とは?

「その他の危険」は、以前に取り上げた「自転車並進可」や「平行駐車」のような激レア品ではないが、かといってそうそう見つかる品でもない。平均すれば、せいぜい県に数枚から十数枚程度ではないだろうか。自分では見た記憶がない、というドライバーの方も少なくないのではと思う。

 設置理由として多いのは、窪地などの手前で「冠水注意」の意味で立てられているケースだ。下の写真は神奈川県川崎市のJR浜川崎駅付近にあったもので、線路をくぐる道路の入り口に立てられている。

写真を拡大 「大雨冠水注意」の補助標識あり

 こちらは横浜市の工業地帯にあったもので、「この先1200m行き止まり」の補助標識がある。トラックなど大型車の通行が多く、広い迂回路も少ないため、かなり手前から予告されているのだろう。

写真を拡大 先方行き止まりを示す標識

 熊本市の熊本城付近には、「落木注意」の表示がある標識があった。台風の被害なども多い地域であるため、こうした標識が必要なのだろう。ちなみに写真左下に写っているのは、2016年の熊本地震で崩落した城の石垣の石だ。名城はなお痛々しい姿のままであり、一日も早い復旧を祈りたい。

写真を拡大 熊本城近くの「落木注意」標識

 名古屋は「その他の危険」の聖地であるらしく、「冠水注意」や「中央分離帯注意」の標識がそこここにあるそうだ。また札幌市の北7西1交差点付近には、この標識が3連続で立っている場所があり、ストリートビュー でも確認できる。ここは雪国の常で路肩が広く取られているのだが、この先の歩道橋が路肩にはみ出している「どうしてこうなった」的設計であるため、激突を防ぐべく何度も警告標識を設置したものと思われる。

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佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


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